飛び込むBlue

ハロヲタ、30代男性、2019年、ジャニーズにハマる

SixTONES「JAPONICA STYLE」楽曲レビュー 果敢に挑む眩しきJAPONICA(後編)

※後編ですが、楽曲論だけ読みたい方はここから読んでも問題ないです。

 

 

JAPONICAとは何か

まず重要なのは「JAPONICA」というフレーズです。

 

JAPAN STYLEではなく、

JAPANESE STYLEでもなく、

JAPONICA STYLE。

 

JAPONICAは「欧米人の間における日本趣味」を指す言葉とされています。

 

極めてファジーな意味合いの形容詞であり、

日本独自の美的価値観を表現するときなどに使われます。

 

f:id:sixgre:20190220142750j:image

 

連想されるのは、日本画、浮世絵、着物、花魁、舞妓、歌舞伎……

そして、桜。

いわゆる伝統的な日本の美的価値観、諸外国から見た日本の美の「イメージ」です。

 

ここでは、日本の伝統的スタイルがそのまま忠実に表現されるのではなく、

そのエッセンスを取り入れて、

新たに「解釈された」表現であることが

重要なのだと僕は考えています。

 

歌詞をミュージックビデオと一緒に考える

歌詞とMVをじっくり見ていきたいと思います。

 

Japonica! 今 In my heart

Japonica! 今 In your heart Ah...

まず各々のハートの中に、JAPONICA=日本の美のイメージが存在する、

という導入のフレーズです。

 

Yeah, yeah 愛が足りないのに そっと微笑んで

Japonica style 華麗に舞う花

何が起こるかは わからないなんてさ

夢 恋 桜 Japonica style

「愛が足りないのにそっと微笑む」

これは切なく儚い恋のイメージを表現しているのだと僕は解釈しています。

夢、儚い恋、華麗に舞う花=桜。

これらのフレーズに共通するのは、儚く淡く不確かで、それゆえに美しいイメージ

ここでは「JAPONICA」のそうした不確かなイメージが表現されています。

 

I never ever ever hurry up
I never ever ever ever give up
やってみようか?どうしようか?
Never ever ever ever carry on for me

「決して急がない、決して諦めない。決して……。

    自分のために続けるんだ。」

冒頭の不確かで儚いイメージから一転して、

ここで現れるのは迷いながら気持ちがポジティブに切り替わる心の動きです。

 

運命感じるかも 人生変えるかも
夢 恋 桜 旅に出よう

Oh ひらひら舞う花眩しいじゃん yeah

これまでの不確かで儚いイメージ、強い意志の表明に続いて、

さらに人生の変化と未来に対するワクワク、

明るく眩しい期待感のイメージが描かれています。

 

ここで、この部分までのMVの演出についても合わせて見ていきます。

 

冒頭では6人がバラバラな方向を向いており、

各々が何か思案しているような雰囲気が描かれます。

舞い散る一枚の花びらを手に取り、その儚さを感じるような演出です。

 

その後、和風のセットの中で各メンバーが思い思いの表情を見せてくれます。

どれもどこか儚げな印象があるカットであり、

その一方で、どこか心の中で強い意志を燃やしているかのような、

そんな印象を感じるショットが続きます。

 

また、「華麗に舞う花」の瞬間には、

花びら舞うショットが一瞬だけ重ねて写し出されます。

心の中に桜の舞うイメージがよぎっている、そういう印象深いショットです。

 

そして、「ひらひら舞う花眩しいじゃん」の部分で、

モノトーンな画面に色彩がともる映像が表現されます。

淡く不確かなイメージに明かりが灯る。

儚い桜のイメージに、期待感を伴う眩しい光が見出される、そんな表現だと思います。

 

光の話でいうと、実はここまでの照明の表現も素晴らしいんです。

 

「yeah yeah」から「夢 恋 桜 Japonica style」の淡く不確かな心情表現の部分では、

光が地面を照らしています

「I never ever ever hurry up」で気持ちが切り替わる部分では、

光が一気に上を向きます

「ひらひら舞う花眩しいじゃん」で期待感がワクワク動き始める部分では、

光が波打つように動き始めるんです。

これはなかなか意図的な照明表現で、見事だと思います。

 

そして、いよいよサビ。

花の眩しさに期待感が高まった瞬間、ミュージックビデオでは、

花びらがメンバーの手によって投げ放たれます!

ここから光は縦横無尽に、ダイナミックな動きで彼らを照らします。

 

俺たち Japonica Style
わびさび Japonica Style
移り変わるよ綺麗に 風には舞い
可憐に Japonica Style
はかなき Japonica Style
駆け抜けてゆく どこまでも Woh
(We are so Japonica)

Go…

淡く不確かな心情が、迷いのなかでポジティブに切り替わり、

未来に向けたワクワクした気持ちに切り替わったーー

その期待に応えるように、

風に舞い散る桜などの和のイメージに乗せて、

可憐で儚く移り変わるそのJAPONICA STYLEを背負い、

「俺たちはどこまでも駆け抜けてゆく」という強いメッセージが放たれます。

 

かっこよすぎるだろ!

 

ここまで、歌詞の前半をMVの演出とあわせて見てみましたが、どうでしょうか?

 

後半の歌詞でも、諸行無常の日本の美のイメージ、日本独自の世界観=JAPONICAを背負い、

「俺たち」は果敢に挑み、描いた夢を叶え、強く燃えてみせるという歌詞が続きます。

樹担ゆえかもしれませんが、「諸行無常でも果敢に挑んで」の樹は白眉だと思います。

 

MVではこの後も各所に和テイストな表現が盛り込まれ、

ラストでは地下にあるかのような暗い屋内から、都会の夜の屋上へ飛び出していきます。

夜桜が、夜風に舞い、夜空に誓い、その美しさを高みから解き放つーー

そんなストーリーを感じてしまう演出になっていると思います。

 

JAPONICAをアップデートする

この楽曲が歌っているのは、

「JAPONICAというイメージを俺たちがアップデートしていく」

そういう挑戦の意志が芽生え、決意して、高みへと駆け抜けていくという、

そんな美しいストーリーの始まりなんです。

それを様々な和のエッセンスを取り入れながら表現している作品なんです。

 

だからこそ、YouTubeアーティストプロモの場で、

グローバルなフィールドにSixTONESを解き放つ楽曲として、

この曲が選んだのは大正解だった、極めてふさわしい選曲だったと僕は思うのです。

 

この楽曲が選ばれた、それはすなわち、

日本の男性アイドルの覇者であるジャニーズが、日本的なイメージを武器に、

果敢な挑戦、SixTONESというアイドルで革命を起こしていく、

そういう意志の表明としても読み替えることができるのではないでしょうか。

 

※蛇足

奇しくもかつてK-POPで世界的な社会現象を巻き起こした、

Gangnam Style(江南スタイル)」とタイトルが一部符合する点も、

偶然だとは思いますが、

グローバルに殴り込みをかける一曲のタイトルとしてふさわしいなと思います。