SixTONES「NEW ERA」インプレッション――変わらぬ決意、燃え尽きぬ闘志の色。
SixTONESの3rdシングル「NEW ERA」のミュージックビデオが公開されました。
本作はアニメ『半妖の夜叉姫』のオープニングテーマ。
SixTONESの過去2作と異なり、初めて 「外ロケ」 での撮影を敢行したミュージックビデオです。疾走感あふれるミクスチャーラウドロックはSixTONESの新境地を見せるにふさわしいエモーショナルなサウンド。
自分自身の夢を求めて、降り注ぐ雨の試練をくぐり抜けた「Imitation Rain」。
自分自身の瞳を信じて、右も左も分からぬ夜の試練をくぐり抜けた「NAVIGATOR」。
2つの試練をくぐり抜けた俺達は、もう”迷わない”――
辿り着いた新大陸で打ち立てた高らかな宣言といえる楽曲だと思います。
「デビュー組」の仲間入りを果たし、ジャニーズとして活動の幅を広げたSixTONES。
セカンドシングルの「NAVIGATOR」のプロモーション開始からリリース時期まで、悔しいことながら、最も印象的だったのは、やはりコロナウイルス禍に見舞われたことでした。
コンサートは延期になり、中止になり、CDリリースも遅れました。
冠レギュラーラジオ番組がはじまったかと思えば、メンバーの自宅からリモートで配信するという異例の事態。
京本大我の主演舞台「NEWSIES」が中止になったことは、特に悔しかった出来事です。
「Imitation Rain」は、これまでの試練の雨を乗り越えた「ジャニーズJr」期における「これまで」を歌ったものでした。
それに対し、「NAVIGATOR」はデビューを果たして様々な仕事に挑むSixTONES、右も左も分からない闇に戸惑い、「これから」を迷いながら進む彼らを象徴する楽曲として作られたものだったのだと思います。
しかし、楽曲がつくられた時点は全く予見されなかったコロナウイルスという「本物の闇」によって、「NAVIGATOR」は作り手たちの想像を遥かに超え、まさしくほんとうの意味で「暗中模索」となり、闇を駆け抜ける印象的な楽曲となりました。
一方で、そのような中でも彼らは、決して自分自身を見失わず、多くの新しい仕事に邁進してきました。
北斗とジェシーが現在出演中の新ドラマは好評ですし、これから高地と慎太郎が出演するドラマが更にはじまります。樹がレギュラーを務めるオールナイトニッポンは好調で全国ラジオ34局ラップチャレンジも好評のうちに終わりました。コロナ禍の中で行われた「Johnny‘s World Happy LIVE with YOU」も大成功で、大我は後輩の7MEN侍と共演するパフォーマンスでも話題になりました。
その他、各メンバーはそれぞれバラエティ番組にも、定期的に出演する機会が増え、「八王子リホームのジェシー」「鉄腕DASHの慎太郎」など、バラエティを期に彼らの顔と名前を覚えてくれるようになった世間の人も増えてきたのではないかと思います。
ソロ仕事が増えた今、彼らの仕事はグループとしての活動ばかりではありません。でも、だからこそ、この楽曲がいま歌われる意味があるのかなと思います。
どうして彼らは「もう迷わない」と言えるのか。
どうして彼らは「孤独(ひとり)じゃない」と言えるのか。
それはいつも背中にお互いのことを感じているから。
さらに言えば、teamSixTONESがいることをわかっているから。
本楽曲のライブパフォーマンスが初披露された「YouTube Fanfest2020」では、そのことを改めて認識することができました。
かつて一度諦めざるをえなかった「YouTube Fanfest」というステージ。
でも、そこに彼らはもう一度立つことができたのです。
たしかにコロナウイルスは時代を変えました。様々な未来を変えました。
移動は制限され、都市はロックダウンされ、人々は距離をおき、国境は濃くなったかに思えました。
でも僕たちはまだつながっている。国境はいつだって越えられる。
世界はオンラインでつながっている。
「YouTubeFanfest2020」はそれを証明しました。
そして、コロナウイルスがどれだけ猛威を奮ったとしても、SixTONESは「約束の場所へ連れて行く」ということを諦めていないことを証明しました。
約束の場所がどこかって?
「世界」に決まっている。彼らは諦めていない。
teamSixTONESには耳の聞こえないファンの方がいたりもします。
でも彼らは約束の場所へと「誰一人残らず」連れて行く。手話によるパフォーマンスはその象徴とも言えると思います。
その証明として、その宣言としての「NEW ERA」です。
それは、アニメ「犬夜叉」および「半妖の夜叉姫」に登場する「火鼠の衣」の色。
火鼠という幻獣の毛皮で作られた衣。
それは、燃え盛る火の中に入れても決して燃えつきることなく、いつまでも元の姿のままでいられるという不思議な衣。
強い興奮と激情を示す赤のあざやかさを抑えた、暗みのある穏やかな臙脂色が象徴するのは、深いつながりと仲間への愛に裏打ちされた「不屈の闘志」。
ミュージックビデオのサムネイルにもなっている「上を向いて拳を突き上げる6人」の姿にもそのような闘志を感じます。
雨の試練にも負けず、闇の試練にも負けず――
どんなふうに時代が変わっても、いまもありのままに、仲間と一緒に約束の場所まで駆け抜けようという強いメッセージと決意の現れの色。
燃え盛る火の中でも彼らの決意と絆は決して変わることはない。
どんな険しい道のりでも、もう迷わない。
孤独(ひとり)じゃないから。