飛び込むBlue

終わりはまだまだ遥か先の方だ

SixTONES「NEW ERA」歌詞考察ーーすべてを胸に乗せて

本楽曲はアニメ「半妖の夜叉姫」のオープニングテーマ。

 

初披露はアニメの第一話でした。1話30分というアニメ放送枠では、オンエアされる楽曲の秒数が明確に決まっています。

89秒。

しかし、この最初の89秒から、この楽曲は僕たちに見せる姿を刻々と変えていきました。

ラジオで初オンエアされた際には、TVサイズではカットされていた「アーイー、アーイーアー」という冒頭の印象的なスキャットが姿を表しました。

公式サイトで試聴音源が提供されると、これまで披露されたものとの音質の違いから「別の曲のように聞こえる」というファンのリアクションが相次ぎました。

YouTubeFanfest2020で披露されたバージョンでは、ライブバージョンならではの表情を見せ、手話を取り入れた振り付けが話題になりました。特に個人的には田中樹のラップパート、5人の真ん中で「まとめてる」樹の姿がものすごくかっこよかったのを印象深く覚えています。

公開されたMusicVideoでは、美しい海沿いの景色の中で踊る六人にファン皆が息を呑み、当初の89秒からまるで想像のつかないような楽曲が姿を見せていました。

そして今日、「CDTVライブ!ライブ!」では、それまで隠されていたCメロ部分が初披露。「別の曲では!?」と思わせるほど、ガラッと曲調が切り替わるCメロはあまりに予想外の展開で、twitterのタイムラインで僕は思わずこれだけつぶやいてしまいました。

アニメソングは、単純にアニメの世界観に寄り添うのみではない、そう感じられました。

89秒で作品の世界観にピタッと寄り添いながらも、その枠をはみ出た部分にもまたクリエイティビティが詰め込まれています。

 

歌詞も同様です。当然アニメの世界観に寄り添う反面、SixTONESらしさや、これまでのSixTONESの世界観にも寄り添った歌詞になっています。

これまでのSixTONESの歌詞について、僕は「夢に向かって歩む」という一貫した姿勢を感じています。

Imitation Rainでは「夢に向け、試練の雨に打たれながらこれまでを歩んできた」と歌い、NAVIGATORでは「未踏の道でも、迷わず自分自身の目を信じて歩む」と歌った彼ら。

今回のNEW ERAで歌われたのは「ひとりじゃない、共に歩もう」というメッセージ。

 

このメッセージはきっとコロナ禍での多くの人たちにもきっと響く。それはソーシャルディスタンスが叫ばれる今だからこそ。

例えば僕が想像するのは、オンラインでキャンパスに通うことになり、共に夢を追う仲間の存在を感じられなくなってしまった大学生、あるいは若者たち。

僕自身は学生でも若者でもないけど、そのメッセージは個人的に強く響いたなと感じています。

 

最近のSixTONESは、テレビへの単独出演が増え、6人での仕事を見る機会が相対的に少し減ったように思います。YouTubeもまとめ撮りをきているのは明白で、6人全員で何時間も喋り倒すような時間はきっと減っているんじゃ無いかと思います。

でも彼らは「ひとりじゃない」と歌う。

 

走り出そう 連れて行こう 約束の場所へと
《聞き逃すな 始まりの合図》
無垢な魂が 熱を上げる

約束の場所。これは彼らがジャニーズJr.チャンネルの初期の動画で語ってくれた「ビルボード」などの「いつか辿り着きたい場所」のことを想像させます。

無垢な魂。けがれのない真っさらな初心の気持ちのことであり、約束の場所を見つめてJr.時代に抱いた大志を奮い立たせるようなフレーズです。

始まりの合図。この楽曲こそが「合図」であると解釈できます。また初心に戻り、歩んでいくんだという決意。それは打ち立てられた臙脂の布にも感じられる想いの強さ。

冒頭の印象的なスキャットも、まさに「合図」です。

Alright, Welcome to NEW ERA

Let’s go 捕まえろ 新しい時代
What time is it? 君といる未来へ
《We just came out of the blue, ok?》
何も怖くはないから

SixTONESは新しいステージ、新しい時代を迎えることを怖がっていません。

SixTONESは「新しい時代」を捕まえろという。その新しい時代とはいつのことだ? それは「君」といる未来のこと。

「君」というのはteamSixTONES(ファン)への語りかけであるように思えます。その一方で、teamSixTONES(メンバー)への思いであるようにも感じます。

君と一緒に、夢のステージに立つ未来へ。

《俺らは突然現れるよ、準備はいい?》

Do it yourself yeah 自分次第
Let’s make a new world
《Oh this is our time》
叶えよう Everything So 君と

そのためにも自分自身で動かなきゃいけない。結果は自分自身の行いについてくる。

それでも彼らは「君と」と歌うのです。

Changing ways yeah
もう迷わない
yeah 感じるまま

I wanna I wanna I wanna say
no…
声上げろ 未知の世界へ

当然、道は変わることがあります。今年は特に、新型コロナの影響を受けて、歩む道のりが変わらなかった人々などいません。

彼らもコンサートや舞台の中止という変化を受け入れざるを得ませんでした。

でも彼らはもう迷わない。

慎太郎の「no...」というフレーズは印象的です。いつだったか雑誌のインタビューでも、メンバーの中でもNOという意見を出せるのは、そういう声をあげられるのは慎太郎だというようなことを話していました。

そうやって仲間と協力しながら、彼らは歩んでいく。

走り出そう 連れて行こう 約束の場所へと
《聞き逃すな 始まりの合図》
奇跡を信じて

孤独(ひとり)じゃない かけがえない 同じ時代(とき)刻もう
《手を離すな 駆け抜けるLife》
無垢な魂が 熱を上げる

だから彼らは、例えばソロ(ひとり)の仕事をするときでも、孤独(ひとり)じゃないと理解している。

だから、teamSixTONES(メンバーであり、ファンのことでもある)に、リアルタイムに、同じ時を歩もうと呼びかけているのです。

ほら見ろ このマスターピース
感じるフロー 6つのTONE 奇跡的なBeats
No Fake ありのまま Yeah, this is me
まるで映画で見るようなワンシーン ayy

スターピース(傑作、完成品)。SixTONESそのもののことだと思います。

6つの音色が揃った奇跡的なチーム。

それは偽物じゃない。彼らはありのままで歩いてきた。

 

映画で見るようなワンシーンと言われ、僕が思い出すのは、TrackONE-IMPACT-のあのシーンです。

 

「ひとつだけ我がまま言っていい?」

京本大我が発したそのひとこと。

初心を忘れたくない、「俺たち」という気持ちへの願い。

6人で肩を組んで、涙したJr.最後のステージ。

「俺たちは……!」

I don't care its my way
We gotta do this can't be late
Get it get it always
Get it get it now, hey!!

I don't care its my way
We gotta do this can't be late
This is SixTONES

迷わない、俺が進むと決めた道だから。

その歩みを遅らせてはいけない。

俺たちはやる。いつも。今も。

それがSixTONES

ずっと感じていた 時に厳しさも優しさも
We're not alone
果てしない 果てしない one way
限りない 限りない one dream
すべてを胸に乗せて

アイドルとして、きっとファンを含む周囲からの優しさを感じる時もあれば、甘い世界ではないと厳しさを感じるときもあるのだと思います。

それでも彼らは「ひとりじゃない」。

たしかにその夢に向かう道のりは長く、一方通行の果てしない道。

「愛はいつもOne way street」。

でも彼らは「すべて」を………優しさも厳しさも、辛かった時も、楽しかった時も。

デビューしても、ジャニーズJr.だった、あの頃の気持ちも。

これまでのすべてを。

すべてを胸に抱えて。

共に行こうSay yeah
共に走ろうSay yeah

かけがえない仲間(チーム)と共に。

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