飛び込むBlue

終わりはまだまだ遥か先の方だ

プロットづくりで考えていることをそのまま書く3

少年ジャンプの漫画は面白いものが多い。参考になるものが多い。

最近読んだ怪獣8号は特にプロット的に書きたいものと構造が近い。ほかにも参考になる作品が多い。だけど、好きだなと思う作品の多くに、どうしても僕が「自分が書きたいもの」とは違うなと思うポイントがいくつかあって、そこをつきつめていくと自分の作品ができるような気がしている。

たとえば「バトル」ものに僕は興味がない。

「戦う」ことはいいの。友情・努力・勝利も嫌いじゃないしむしろ好き。でも、現代において戦うって、武器を持って戦闘することだけじゃないよね。

勉強机に向きあって、数学の謎を必死に解き明かそうとするのだって「戦い」。

友情っぽくなくたって切磋琢磨できる好敵手がいればそれでいいなって思う。努力っぽくなくたって工夫や知能で乗り切るのも努力。敵に勝つ勝利じゃなくていい、自分に勝つ勝利が僕は好きだ。

どちらかというと、僕は頭を使って戦う人のほうが好きだ。「約束のネバーランド」や「DEATH NOTE」、「バクマン」……。でも、もっと苦悩する人物像のほうが好きだなと思う。思い浮かぶのは「私のジャンルに神がいます」。クリエイターの苦悩というか、そういうものへの共感が強い。

自分が描いた「うやむや」もよく考えると、ミステリー構造なのをもっと「謎と戦う」形にしてもよかった。

 

僕は既存の何かに新たな解釈を加えて、謎を解き明かし、新しいものを提示できるアーティストが好きだ。そういう意味で謎と戦うアーティストを主人公にしたい。そうか………僕が「ミレニアム」を好きなのも、アーティストじゃないけど、調査報道をテーマにしているところが大きいのかも。知性による戦いと表現。

そこで言うと「バチカン奇跡調査官」も参考作品に入れてよさそうだ。

 

謎を解く探偵はそれだけで華麗でかっこいいけど、でも僕の中ではもう少しアーティスト感が欲しい。成果物に対して美しさや感動が欲しい。才能への崇敬みたいなものを描きたい気持ちがある。

そこをうやむやでは一部描いたんだよなぁ。

問題はどんなモチーフ・世界観を用いて何の特殊職業を題材にするかだ。それをSF・ファンタジーに置き換えて、メタファーとして描くにはどんなモチーフと世界観がいいか。もちろん自分の好みとの相性もある。

世界観的にはスチームパンクっぽいものへの憧れはある。チャイナ・ミエヴィルが否定しているトールキン的ファンタジー世界観は採用したくない。

現代日本との一部近さを採用しつつ、より神秘アジア的な世界観の方が良いなと思う。直近で良いなと感じたのは「九龍ジェネリックロマンス」の世界観。異国の日本人街っていうのは良いな。「悲しみは逆流して河になる」の90年代〜00年代中国の空気にも惹かれる。

 

………あっ、そうだ、ヒプノシスマイクもアーティストが戦う作品と言えるんだよな。いやヒプノシスマイクは見てないんだけど。でも、ラップバトルって、知性の表現による戦いだもんな。

けどそこをよりうまくファンタジー的な表現にもっていき、個人的な戦いに変えていきたい。

 

そう、個人的な戦いというのも重視したい。チームや組織を尊重したとして、究極は自分との戦いになる。いかにやり抜く力を持てるかと言うのが最終的な価値を決める。

「左ききのエレン」は分かるし好きだけど社会的すぎて現実的すぎて、少年心が削られちゃう。よりファンタジックに行きたい。表現がファンタジックでも実際には現実の投影となりうる。そのための有効なメタファーを見つけたい。

 

いや、無理してメタファーにしなくていいのかも。非現実的な天才を描くのはうやむやでもやった。真駒輪廻の楽曲はほとんど魔法みたいなものだった。ってことはそういうふうに描けばいいのかも。

 

舞台は中国っぽいような台湾っぽいような、それとも東南アジアっぽいような架空の異国の日本人街かな。時代は90年代。魔法が存在する世界観。でもバトルは描かない。題材にするのは、音楽か絵画かな………。文章で表現するなら音楽の方が経験はあるけど……でも、魔法の存在を下地にするなら、絵画の方がイメージしやすい。音楽の天才として真駒輪廻みたいなのをもう一回登場させたっていい。

 

定まってきた気がする。