いつか凍りついた時を溶かす暖かい涙を。〜Travis Japan川島如恵留と「アナと雪の女王」〜
美しい顔立ち、高身長、抜群のスタイル。
アクロバットもこなし、運動神経もピカイチ。英語も話せて頭脳も明晰。
それだけでも十分なのに、難関資格にも挑む努力家。
歌もダンスもトークもそつなくこなす。
ファンに対しても誠実で優しく、ブログではいつも気配りをかかさない人格者。
何もかも手に入れているかのように見える彼。
そんな川島如恵留が、あの時、泣いていました。
東京ドームでSixTONESとSnowManがデビューを決め、その直後のパフォーマンス。
カメラに抜かれた彼のアップ。
見たことがないほど、泣いていました。
その後、如恵留はブログでファンに謝り、そして釈明しました。
SixTONESやSnowManのファンの気持ちに水を差していたらごめんなさい、と。
彼らのデビューを喜ばしく感じ、心から祝福している、と。
あの涙は、彼らのデビューへの悔しさでなく、非力な自分への悔しさと、ファン、メンバーへの申し訳なさなのだと。
あまりに誠実すぎる。
あまりに優しすぎる。
あまりに強くあろうとしすぎる。
僕はブログを読んでそう感じました。
誰一人傷つけてはいけないと、
誰一人責めるような形にしてはいけないと、
聡明であるがゆえに、自分の涙がもつ力を恐れているようにも感じました。
こうも強く正しい生き様だと、老婆心としては少し心配にもなる。
甘えたい時はないのだろうか?
奇しくも、令和Jr.維新のコーナーで、
インタビュアーの方が僕と同じ疑問を抱いていました。
如恵留くんはこう答えていました。
……だから、ファンの人には甘えさせて欲しいです。
俺のことを甘やかしてくれる人っていないんですよ。
小さいころから甘えそびれて来ちゃったし。
もちろん、ダメ出しもありがたいけど、
川島ファンの人だけは、デロデロに甘やかして!(笑)
そしたら、俺は報われてるって思えるから。
僕はこれを読んだ時、川島如恵留のアイドルたる真髄に触れたような気がしました。
容姿端麗、頭脳明晰、運動神経抜群。
もちろんそういうパーフェクトな一面も、すべて川島如恵留だ。
でも僕には、もうひとつとても愛おしい彼の特徴が、そこにはあるように思えた。
甘えるのがとても下手だってことだ。
僕はここからひとりのディズニープリンセスを連想しました。
人を迷惑をかけることを恐れ、ありのままに人に甘えることができなくなってしまった、聡明な氷の王女。
そう、「アナと雪の女王」に登場するエルサ王女です。
良い子で、慎重で、真面目で、心優しく、自らの喜怒哀楽で誰一人として傷つけたりしないように、気持ちを押さえ込んで誰よりも頑張ってしまう。
エルサのキャラクターを通してディズニーが描いたのは、実に普遍的な「聡明なる長子」の姿だと僕は思います。※如恵留くんも妹がいますね
幼き弟妹が生まれたら、聡明な長子は涙を遠慮してしまう。それは「お兄ちゃん/お姉ちゃんなんだから」という呪縛だ。
甘えることを周囲から、あるいはときに自ら禁じてしまう。
エルサの場合はそのまま両親を失い、二人きりの姉妹となり、それでさらに涙を封じ込めてしまう。
アナ雪における「氷の力」はまさに「涙」のメタファー(隠喩)だと思う。
だからこそ僕は如恵留にこう言いたい。
泣いていいんだよと。
Travis Japan「Namidaの結晶」MV (「虎者 ―NINJAPAN―」テーマソング)
寂しさ悲しみも 包み込み癒す光
触れたその瞬間 こみあげるこの感情
戸惑いながらでも解き放とう
ーTravis Japan「Namidaの結晶」
エルサは涙で氷の城を建て、ついには愛する妹のアナを氷で傷つけてしまいます。
その氷の力は「孤独と悲しみの涙」です。
※ちなみに。日本語版「レット・イット・ゴー」は和訳で多くの誤解を生んでいますが、あれは「ありのままで生きよう」というハッピーな自由賛歌ではなく、「このまま人から離れて孤独に生きよう」という悲痛で孤独な歌なんですよね。あの和訳は罪深すぎるんじゃないだろうか。
「アナと雪の女王 MovieNEX」Let It Go/エルサ(イディナ・メンゼル)<英語歌詞付 Ver.>
けれど、その悲しみの涙の魔法を解くのも、やはり涙です。
それは、氷を溶かす暖かい愛の涙。
身を挺して自分をかばったアナを抱き締め、エルサは号泣するのです。すると、その暖かい愛の涙で凍てついたアナの氷は溶け、姉妹の愛が王国を救うのです。
真実の愛こそが、魔法を溶かすことができる
如恵留がエルサだとしたら、僕たちファンはアナだと思うのです。
だからこそ、如恵留には悲しく悔しいときには泣いていいんだと言いたい。
たくさん泣いていい。もしも、それによって誰かを傷つけてしまうことがあるのだとしても。
ファンやメンバーは、それでもあなたを大好きな家族なのですから。
大丈夫。いつか嬉し涙の結晶が、凍りついた時間を溶かして、ちゃんと前に進める。ハッピーエンドを迎えられるから。
ただ、聡明で優しい如恵留は、さすが、その愛の力まで分かってくれているようですけどね。
のえまるにもこう書いていましたね。
次に流すのは、自分たちの嬉し涙だもん。