飛び込むBlue

終わりはまだまだ遥か先の方だ

「少年たち」が終わった日、「劇場版 私立バカレア高校」を見てきた。

「少年たち To Be!」千秋楽の今日。

実は福岡では「劇場版 私立バカレア高校」の復活上映が開催されていました。


 「少年たち To Be!」は残念ながら見れなかったけれど、

僕は今日「劇場版 私立バカレア高校」を見てきました。

 

 

 

僕は最近、古い雑誌記事に載った「SixTONESとすき焼き弁当」の話を知りました。

 

それは2012年10月――

劇場版バカレアが無事公開され、舞台あいさつを終えた日、帰りの新幹線。

映画の充実感でSixTONESの6人はテンションも高く、盛り上がっていたそうです。

でも、6人は、はたと気が付いた。

「今日、6人がそろって仕事するの、最後なんじゃない?」

誰かに言われたわけじゃないけれど、6人での仕事は最後だと思ってしまった。

元々、バカレアという作品のために集められた6人。

だから、映画が終わるということは、同時に6人も終わってしまう。

それで6人とも「今までありがとう」「楽しかった」なんて暗い空気になっていって。

そしたら、ついに北斗がうつむいてボロボロと涙をこぼしはじめてしまった。

全員こらえきれなくなってしまって、

みんなボロボロ泣き始めてしまった。

このとき6人は、帰りの新幹線で、大好きなすき焼き弁当を食べていた。

でも、すき焼きの味なんてしなくて、弁当はしょっぱい涙の味だったそうです。

 

「劇場版 私立バカレア高校」はどことなく「少年たち」に似ていて、

けれど、「少年たち」とはまったく異なる作品でした。

 

ライバル(SnowMan)と競いながら

塀の外の未来へ向かい、未来を歩んでいく」というのが、

「少年たち」のストーリー。

 

それに対して「バカレア」での彼らは、

ライバルとの争いを繰り返す日々に戻り、

俺らの夢って何だろう?」という問いで終わってしまうのでした。

 

不良たちとは異なり、明確な夢を持ってアメリカに向かった文恵(島崎遥香)。

「答えは自分で見つけるものよ」そう言い残して。

彼女は、映画の2か月後にリリースされたシングルで、

AKB48のセンターに上り詰めました。

 

文恵から達也(慎太郎)宛てに届いた手紙には

「今度、達也君の夢、教えてくださいね」と書かれていました。

哲也(北斗)にも届いていたので、全員に書いていたのでしょう。

達也(慎太郎)は「俺の夢か……」とつぶやきました。

 

高みに上った彼女を見送り、6人に残ったのは、友情。

そして、漠然とした未来への疑問でした。

俺らも、ほんとうは、この6人でまだまだやりたい。

……けれど、この6人は「馬鹿田」を卒業したら、

ここで終わりになってしまうんだろうか?

 

このとき、SixTONESは「終わることない夢を見たい」と歌っていました。

まだ、夢を「見たい」という願望でしかなかった。

描けては、いなかった。

だから多分、その終わりを感じて、ぼろぼろと泣いてしまったんじゃないか。

 

でも、今はどうでしょうか。

違いますよね。

「少年たち」は「描いた夢は Endless way」とはっきり断定している。

俺たちが描いたこの夢は「終わらない夢」だと断言しているんですよね。

 

今日、彼らが5年立ち続けた舞台「少年たち」が幕を閉じました。

最終日、SixTONESジェシーと、

SnowMan・岩本照が最後の手紙を読んだと聞きました。

ジェシーは「一度夢をあきらめかけた2グループだ」と語ったそうですね。

バカレアが終わった後、いろいろあって、

事務所を辞めるかもしれないところまで行ったと。

そして今回、岩本君は「もうすぐ僕たちの少年たちが終わりますね」と言って

泣いたそうですね。

 

作品は終わってしまう。

けれど、バカレアのときの涙とは違います。

描いた夢は終わらない。

そう信じている、そんな涙ですよね。

作品が終わっても、今は終わらない夢を描けている。

 

「劇場版 私立バカレア高校」。

僕にとってはとても新鮮なSixTONESがみられる映画でした。

慎太郎がセンターポジションで、今のSixTONESとはいろいろ違いますね。

SixTONESに、こんな時代があったんだな、と感じる作品でした。

本作のSixTONESは、

まだ、未完成で、不安定で、未熟で、荒々しく、洗練されていない、彼らでした。

けど、そんななかにも、間違いなく光る兆しを持った6人でした。

この6人に――ジャニーさんは、

SixTONES(原石)」という名前を付けてくれたんですね。

 

「少年たち To Be!」千秋楽、おめでとうございます。

そして、お疲れ様でした。

今回こそは、みんな、美味しいお弁当を食べたのでしょうね。