飛び込むBlue

ハロヲタ、30代男性、2019年、SixTONESにハマる

SixTONES「NAVIGATOR」インプレッション―― 憧れのダークヒーロー。

SixTONESの2ndシングル「NAVIGATOR」のミュージックビデオが公開されました。

ファンの皆さん、待ちわびましたね!

新型コロナウイルスを警戒してCDリリースも延期されていましたが、7月22日に発売が決定しています。ご予約を忘れずに。

公開日の6月25日は、本作「NAVIGATOR」をつくられた髙木誠司さんのお誕生日でもあったそうで。おめでとうございます!

そして、こんな素晴らしい楽曲をつくってくださり、ありがとうございます。

 

本作はアニメ『富豪刑事 Balance:UNLIMITED』の主題曲。

「かっこいい」というシンプルなひとことがあまりに似合うミュージックビデオです。

 

富豪刑事』は、有り余る財力と最新テクノロジーを武器に戦う「正義とは限らない」"ダークヒーロー"的なテーマを持っており、このミュージックビデオはSF的な映像美とダンスで見事にその世界観にもマッチしています。

現時点ではまだフルサイズの公開ではありません。僕がブログでよく書く「歌詞を読み込んだ考察」は、「Imitation Rain」のとき同様、リリース当日にCDを手にして全貌を把握してからのつもりなので、今回は現時点でのインプレッションを書きたいと思います。

 

やっぱり、「Imitation Rain」に反立する演出が印象的です。

建物の上空に六人が立つというシーンは、実は「Imitation Rain」と共通のものですよね。

でも、穏やかなサックスブルーの昼の空をバックにした「Imitation Rain」とは異なり、今回は、うごめく都市のダークな夜景をバックにしています。

はるか遠い目標に向けて練磨を重ねてきた、その道程をつぶさに描いた「Imitation Rain」は、実際の火や水や雨といった"リアル"なエフェクトを演出に取り入れ、アイドルという偶像が現実の過酷さの中で身を削って戦ってきたことに焦点を当てることで、「ヒーロー」としての彼らの「想い」に心が洗われる感動の一作でした。

対して、「NAVIGATOR」。

現実には存在しない仮想都市や無数のスポットライトでつくられる闇と光の"アンリアル"なエフェクトを演出に取り入れています。

どこか彼らの実存を疑わせるかのような、ヴァーチャルな演出。

彼らが「なにを見つめているのか」――。

その視線の先は、まだ、なかなか見えてきません。

 

僕はこのヴァーチャルな演出に、アニメ・マンガ的なフィクションの想像力とのつながりを感じました。

特に「バットマン」をはじめとするダークヒーローの「アメコミ的想像力」の心象風景につながっているような印象を強く受けます。

仮想都市の夜景のシーンは最も象徴的で、犯罪がうごめくゴッサムシティのイメージが明らかにそこに重ねられているように思えます。

これは、アニメの主題歌であることも踏まえ、明らかに日本の外を意識した戦略性の高い演出なのだろうと感じます。

 

これもまた、「かっこいい」。けれど、これは種類の違うかっこよさですね。

「Imitation Rain」には、いわば「応援したくなる」かっこよさがありました。

「NAVIGATOR」にあるのは、「憧れたくなる」かっこよさです。

 

ダークヒーローの活躍するアメコミ映画を見に行って、映画館を出てきた少年が、無法者のかっこよさに強く心を打たれて、少し悪ぶってみたくなったり、アウトサイダーっぽく振る舞うことに憧れてみたくなる感覚のような。

 

ここから先は歌詞とセットで、さらにはアニメともセットで考察しなければ見えてこないものがあると思いますが――

ダークヒーローの物語は、単純な「悪 vs.正義」という図式では成り立たないものです。マスクの裏には迷いや孤独がある。

善悪は主観でしかない。恐ろしさも視点の違いでしかありません。

だから、怖がる必要はないのだ(Get no scared)。

ダークヒーローの物語では、視点は切り替わり――、

高層ビルの壁面ですら、重力を超越したステージに変わる。

 

きっと、「NAVIGATOR」は、純粋な正義だけでは立ち向かうことのできない、複雑で先の見えない世界の困難と、それでもそこに自らのやり方――いびつにも見える彼らなりの形の「正義」で、自らの道を切り開こうとする彼らの勇気を表現しようとしているのではないかと思います。

 

いつだって彼らの六角形は、いびつな六角形です。